2step forward 1step back

やっぱり会いにきてくれました。

きっと結婚20周年をお祝いに駆けつけてくれたのですね。

約3ヶ月振り、9回目の登場です。

玄関先でボクの帰りを待ってくれていました。

空腹で長く待ったせいか、くぅの顔の前当たりにヨダレの水たまりが出来ています。

そっと、鼻先に顔を近づけます。

ボクの鼻とくぅの鼻が触れ合い、すぐに具合が悪いことに気づきます。

冷たい。体温が低下しています。

小刻みに震えるくぅ。

目が覚めました。

昨年の今頃から、入院する回数が増えはじめ、退院しても薬を飲んでも
気休め程度にしか良くならなかったことを思い出していました。

くぅと過ごした14年間は、実に結婚生活の7割を占めています。
くぅがいることが当り前だったから、いない毎日が、逆に夢を見ているみたい。
現実と夢が逆転したようなフワフワした感覚で生活しています。

時だけが無情にも、
ムカつくほど正確なスピードで、
くぅを置き去りにしたまま進んでいきます。

戻るべきか、進むべきか

ボクは迷っています。